2、低温期(生理4日目~14日目まで):六味丸
3、高温期(生理15日目~30日目):ロクジョン
1、生理期(生理初日~3日目まで)
折衝飲
効能:月経不順、月経痛、月経困難、神経痛、腰痛、肩こり
飲み方:1日3回毎食後 1回1包
生理とは、不要になった子宮内膜の排出です。
卵子が受精しなかった場合は、子宮内膜がいらなくなり剥がれて体外に排出されます。
しかし、血の巡りが悪いと、きれいに剥がれることができず、生理痛になったり、レバー状に固まった血がでることもあります。
このように血液循環が悪く、血が滞っている状態だと、子宮筋腫や子宮内膜症を起こす可能性がでてきます。
また、次回の生理周期に卵子が着床するための質のいい子宮内膜を新しくつくるためにも、生理中に不要になった内膜をきちんと排泄する必要があります。
折衝飲には、生理中に欠乏しがちな血を補い、膜がきれいに剥がれ落ちるように、血の巡りをよくし、排泄機能を促進するコウカ、トウキ、ボタンピ、センキュウ、シャクヤクが含まれています。
また、シャクヤク、ケイシには、血行を促進して痛みを改善する効果があり、エンゴサクには温めて痛みをとる効果があるので、冷えると生理痛が悪化する方にも適したものです。
さらに、生理前などむくんだり、便秘がちになる方がも多いですが、トウニンが配合されていることで、血のめぐりをよくし、腸を潤すことができます。
2、低温期(生理4日目~14日目まで)
六味丸:ジコウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ
効果:排尿困難、頻尿、むくみ、かゆみ
飲み方:1日3回毎食後 1回1包
腎を補う、補腎薬です。
腎は、漢方では、「精を蔵し、生殖をつかさどる」とされています。精とは体内のエネルギの元となるもで「発育、成長、生殖」を指します。
腎が正常に機能していると、精気が発育し、生殖能力を高めます。
東洋医学で、不妊とは、この腎の力が衰えた「腎虚」の状態です。
したがって周期療法の高温期では、この腎虚を補う補腎の治療が中心になります。
補腎薬の中でも六味丸は、体を潤し、生理機能を改善するものです。
体の余分な熱をとって、のぼせ症状などを改善する効果があり、冷え性の方には逆効果にることもある漢方薬です。
低温期が短くて排卵がはやかったり、低温期の体温が高すぎる方に適しています。
排卵が早いと、卵が未熟だったり、卵の成長に子宮内膜の増殖が追いつかず、妊娠しにくくなります。
西洋医学の視点からみると、卵巣機能低下による卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌過多が考えられます。FSHが過剰になると、体のほてりやのぼせといった症状が見られます。
六味丸には、ジオウにより、血液に溜まった熱を改善します。
また、タクシャにより体の温度調節をし、過剰な熱による火照りを鎮めてくれます。
その他に、免疫力を高めるサンヤク、老廃物を排出するブクリョウにより滋養強壮の効果もあるものです。
体の体温調節・免疫機能が整うことで、子宮・卵巣の内側へ栄養をしっかり補給することができ、本来の生理機能が取り戻され、妊娠力を高めることができます。
3、高温期(生理15日目~30日目)
ロクジョン:ロクジョン、ニンジン、ニクジュヨウ、ジュクジオウ、トチュウ、シャクヤク、ビャクジュツ、トウキ、セッコク、ゴミシ、ハンゲ、オウギ、ブクリョウ、タイソウ、カンゾウ、ショウキョウ、ブシ
効果・効能:補血・月海不順・健胃強壮・食欲増進・疲労回復・神経痛・関節炎・肩こり・冷症
飲み方:1日3回毎食後 1回3錠
ロクジョンとは、鹿の生え変わりたての新しい角になります。角は成長するごとに固くなり、それに伴い成分も異なるのですが、若く生えたての角に、不妊に対する薬効成分が含まれています。
中国では不老不死の生薬とも言われ、不妊治療では非常に有名なものになります。
一般的に、日本で市販されている生薬は植物性のものがほとんどですが、こちらは動物性のものになり、植物性に比べると効果が高いとされています。
滋養強壮の生薬も合わせて含有されており、内蔵機能を高め、全身の健康状態を改善することができます。特に性機能を高め、妊娠率を向上させるお薬です。